奈央と出会えたから。<327>

麻呂  2009-02-24投稿
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『聖人。胸苦しくないの?!』



ゆっくりと立ち上がった聖人に、あたしが聞くと、



『これも、俺のパフォーマンス!!』



聖人は、そう言って笑ったんだ。



『はぁあ?!信じらんない。あたしら、すごい心配してんのに、そりゃないじゃん!!』



ユカが少し、ふくれ気味にそう言ってたケド――



『早く行こうゼ!!
奈央姫。お姫様抱っこをして進ぜよう〜〜〜♪♪♪』



『えっ!!ち‥ちょっと聖人ッ/////』



『あははは!!聖人、奈央を責任持って保健室へ連れて行くコト!!』



“ヒューヒュー♪

熱いねぇ!!木下ぱんつ見えてるぞ。”


“ちぇっ。北岡のヤツ、ぶっ倒れたのかと思ったのに。

面白くね〜〜〜。”


“ちょっと男子!!言い過ぎだからッ!!”



“ちきしょ〜。顔のイイヤツは何やっても様になるよな。”


“焼くな焼くなッ!!ケッケッケ。”



全校生徒の注目を浴びる中で、



あたしは聖人に、



初めて、



お姫様抱っこをされた。



『こらっっ!!北岡!!木下!!

何をやってるんだ!!お前らは!!

まだ競技中だぞ!!
早く元の場所に戻れっっ!!』



そのトキ、渋川が、相変わらずの熱血ぶりを披露し始めた。


そっか。



今日は体育祭だから、ユカのお父さんでもあるPTA会長も来てるし。



熱血教師ぶりをアピールするには絶好のチャンスだもんね。


『お〜い!!赤組1着でゴールしたゼ!!アンカーの岡田にみんな注目〜〜〜!!』



渋川を無視して、聖人が応援席に向かって叫んだ。



“キャー☆マサキせんぱぁ〜〜〜い♪♪♪”



“ステキ〜〜!!”


“北岡君と並んで〜♪写メ撮るよ〜!!”



“イケメンX2ショット☆”





『ば、ば、ば、バカモノ!!

赤組は北岡の馬鹿の為に失格だっっ!!』



あはっ。



渋川が体をぷるぷる震わせながら、そう言ってたっけ。



“スウェーデンリレー”の結果は、



結局、失格に終わったケド、



すごく盛り上がったコトで、



きっと、みんな楽しめたんじゃないかって思う。



聖人。ありがと。



あたしの中で、



あなたは、



ずっと、



ずっと、



永遠にヒーローです――

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