今思うと、いつも5人一緒だった。
喧嘩の時も仲直りの時も、ご飯を食べるときだって。もちろん、遊びに行くときも。
気が付くと騒いでいた。
それは、まるで暗闇の中で、光る電球に群がる虫のようだった。
いつからだろうか、ああやって集まりだしたのは。
今日のドライブの話に出てきていない、トーマとジュンが殴り合いそうになっていた時だろうか。
オレとジュンは最初の頃から仲が良かったけど、トーマはみんなからも嫌われているような存在だった。
一見、オヤジのような顔で少し汚い感じがしていたからだ。
ジュンはというと、喧嘩っ早く近寄りがたい所があった。
そんなジュンとトーマが同じ掃除場所になった時に事件が起きた。
「早くしてくれませんかね。今日は用事があるんで早く帰りたいんですよ。」
「じゃあオレの分まで頑張ればいいじゃん。ってか同い年て知ってるくせに敬語使うなよ。」
「ちっ。何様だよ。あぁ、オジ様か。」
「何様でもいいけど、お前が掃除さぼってるじゃん。口より手を動かせよ。」
「なんだと?ふざけやがって。」
「んだよ。」
2人は言い争った後、箒を投げ捨てた。
まわりが見て見ぬふりをしている中で、1人だけは違う行動を取った。
「2人とも止めろって。お互いに悪口を言い争って楽しいか?喋りたいならみんなが笑える話をしようぜ。な?ジュン。トーマ…。」
「トーマでいいよ。ジュン、悪かったな。」
「おぁ、いきなり呼び捨てか。ま、ケースケも呼んでるから気にしないけど。ってか、言いだしたのはオレだったよな。変なことを言ってごめん。」
「じゃ、仲直りの握手〜。」
「はっ?冗談だろ?」
「仕方ないな。ジュン、悪かった。」
「おまえら本気かよ。…ふん。よろしくな、トーマ。」