連邦公国軍統括指令府の周囲数キロ以内で革命教団の送り込んだ蠍型グルド『スティングアー』の大群と基地防衛隊が戦闘を繰り広げている。
そんな中、装甲が所々大破し起動不可能なまま俯せに倒れているディア=パノスに瀬崎隆也の操るストライカー『ハイペリウォール』音もないまま接近し停止した。
隆也「待ってたぜぇ、この時を!!」
龍雅は半目を開いたままハイペリウォールの接近に気付く事もなくただシートにうなだれていた。
龍雅は口をもごもご動かすのみであった。
隆也「俺の…俺の怨みを思い知れ!!」
ハイペリウォールはディア=パノスに更に近付き龍雅のいるコックピット部分と思われる場所を踏み付ける寸前…。
天高くから高速で急降下してきたバロンドールに激突されハイペリウォールはそれを受け止める際激しく火花を散らしながら後退した。
隆也「…雑魚が…。この俺に戦いを挑むとは…」
ハイペリウォールは力任せに振り払おうとするとバロンドールは一歩後退し静止した。
隆也は鬼の剣幕と高揚の効いた声でシェイルをまくし立てる。
隆也「…お前なんかに用はない!!帰れ!!」
シェイルの表情は明るかった。
シェイル「そっちに無くてもこっちには“オオアリ”なのさ!その不細工なデカブツにさぁ!!」
シェイルは両手にプラズマ弾を発生させるとそれを次々と連続でハイペリウォールに向かって投げ付けた。
しかし、ハイペリウォールは喰らう様子もなくただそこに静止しているだけだった。
隆也「効かないねぇ!!」
シェイル「くっ…。なんて防御力なんだい…」
隆也「どうした…。この程度の攻撃で俺に勝つ気かよ…。今度はこっちからいくぜぇ!!超電導ミラーコート展開!!」
次の瞬間、ハイペリウォールのボディは水色から赤褐色へと変化しこれまで受け止めるだけであったプラズマ弾を今度は弾き返し始めたと同時にバロンドールに向かって突入した。
弾き返したプラズマ弾はバロンドールに次々と命中しシェイルは動揺を隠せなかった。
シェイル「なんだい!!あんなのズルだよ!!」
隆也「ハハハ!!せいぜいあがいてでも見せな!!俺が全力でブッ潰してやる!!」