連邦公国軍統括司令府が革命教団の差し向けたグルドの軍勢の総攻撃を受けてる最中。
連邦公国首都セントラルシティの中央に位置する大公官邸では薄明かりの中、連邦公国大公ハインリヒ23世が連邦公国軍の制服トップ組の面々と会議を行っていた。
「従って今回の革命教団の一連のテロ行為、その責任は先の大戦の後始末を完全に出来なかった私に全責任があると考えております」
連邦公国軍総元帥、川崎大信は長く伸びた白髭に時折手をやりながら厳しい表情で答えた。
それに対し幹部達からは、
「いや、今回の事件は全く予想出来なかった」
「これほどまでの被害の増大ははっきり言って不可避だった」
「これは軍部トップ全員の責任だ。総元帥だけではない」
と、皆今回の革命教団への対応に苦慮していた。
ただ一人除いては。
「皆さん…。今回ここに集まった理由をお忘れではありませんか?私たちは今後の革命教団への対応について議論しているのですよ。こんなとこで堂々巡りの議論をしていては現場の兵士達に示しがつきませんぞ」
典型的な中年体型で浅黒い肌の普通のスーツ姿の男が発言すると川崎は直ぐに制止に入る。
川崎「加原隼人元少将!!貴様は現在やっている諜報活動の現状報告のためにここへ呼ばれているだけなのだ!!現役でない貴様は身分を弁える事を忘れないで貰おう!!」
加原「これはこれは失礼しました。しかし、軍の意思決定機関であるこの会議が所詮この程度とは…」
「この部下殺しが!!」
「あなたにそもそも階級があること自体おかしい!!」
近くに着席していた幹部達から次々と罵声が飛んだ。
そして加原はこう続けた。
加原「この程度なら国を変えるのも簡単でしょうな…」
その時、会議室のドアが突然開きそこに青髪の男ハーツが乱入してきた。
ハーツ「皆さま!残念ですがこの国は今日を持ちまして終わりました。皆さま、亡命のご用意を…。」