人間と同じように動いたり喋ったりする人形たち。
エルファも、その1人だ。
身長が約50?。
小さな顔に、カールがかった長い金髪。
宝石のようなパッチリとした眼。
キリリと引き締まった口元。
スラリとした体格。
その美しい姿で多くの人々を魅了している。
大富豪のマルシア夫人に大事にされているエルファ…
良家の令嬢の如く、毎日楽しく贅沢に暮らしていた。
なのに、どこか欲求不満な様子だ。
特注のステキなお部屋を用意してあげた。
豪華な家具や衣装も与えてあげた。
美味しいご馳走を毎日、お腹いっぱい食べさせてあげている。
何不自由ない生活をしているのに、どうしたのだろう?
「いったいどうしたのエルファ?」
2人だけの語らいで、マルシアはエルファに質問してみた。
「…」
エルファは黙り込んで、何も返事しない。
マルシアはジッとエルファの顔を見つめる。
なるほど…
そうなのネェ。
うなずくマルシア。
「1人ぼっちでいるのが、とても寂しいのネェ?」
エルファはハッと、マルシアに振り向いた。
「マルシア…サマ」
「ステキな男性を紹介してもらおうかしら?」
ジッとマルシアを見つめていたエルファ…
喜びもせず、目をそらした。
「オトコハ…、イラナイノ」
「じゃあ、誰を欲しいのかしら?」
「コドモガ、ホシイワ」
「結婚もしないのに?」
「コドモタチニ、カコマレル、ダケデ、イイノ」
「じゃあ、どんなタイプの子供がイイかしら? 男の子? 女の子?」
「ワタシニ、ヨクニタ、カワイイ、オンナノコ、タクサン、ホシイノ」
「そう、分かったわ」