見えない糸 3

もう30歳  2009-02-27投稿
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両手いっぱいに食べ物を抱え多摩さんはやって来た。片付けもそこそこに、床に食べ物を広げ、ビールで乾杯した。
酔いも回ってか、普段あまり自分の事を口にしない多摩さんが、結婚感について語りだした。『うちさぁ。親離婚してて、姉貴も別居中なんだよ。なんか、結婚して幸せな奴っているのかな?結婚にメリット感じないんだよね。俺は結婚しなくていいよ』
まだ、20歳だった私も結婚願望は余りなかった。だから、その時は『だよねぇ〜』と、軽く話を合わせ会話を楽しんでいた。
この言葉が、後の自分を苦しめる事など知らずに…。それから、多摩さんは良く遊びに来るようになった。
ご飯を一緒に食べ、ゲームをし、会社の愚痴を言い合い、時にはそのまま泊まることさえあった。
しかし、多摩さんが私に手を出してくる事はなかった。
私も、初めての1人暮らし。寂しくなければそれで良かった。
一度も見た事がなかったからか、多摩さんから彼女の居る雰囲気を感じれなかったからか、不思議と多摩さんの彼女の存在は気にならなかった。それより、喧嘩別れした友達に罪悪感を感じ、今の2人を知られるのが怖かった。
しかし、同じ職場の友達に私達の噂はすぐ知れた。

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