MOON TEARS-月明かり-

なぉ  2009-02-28投稿
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尚ちゃんはずるい人。
わかっていていつも知らないふりをする。
尚ちゃんは優しい人。
でもそれは時として…罪。

私は尚ちゃんが私の気持ちに気付いている気がした。
「恋は辛いな」
そう切なく笑う横顔に、私は胸が苦しくなった。

また尚ちゃんの携帯が、震えている。
「彼女…からじゃないの?」
「違うよ、俺彼女いないし」
私は耳を疑った。
今、なんていった?
彼女いない?
どういうこと?
私はパニック寸前。

尚ちゃんは意地悪く
「噂、だろ?別れて3ヶ月以上たつんだけどな」
と、笑った。

そしてこう付け加えた。
「しばらくは誰とも付き合いたくないんだ」
私はあっけなく振られた。
「なんで?」
「リハビリが必要なの」
と、私のおでこに軽くデコピンをした。
それから何度聞いても、尚ちゃんは自分の話はしてくれなかった。

帰り道、二人とも酔っていた。
私がこけそうによろけると尚ちゃんは助けてくれた。
「あぶねっ」
「ごめん…」

自然と目が合って、尚ちゃんは私を抱きしめた。
私も抱きしめ返した。
月が優しく見ていた。

尚ちゃんは泣いていた様に私は感じた。
肩が少し震えていた。
私は包み込むようにただ抱きしめた。



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