「どういう事だ?」
「だって、遊んでいる最中に起こった事故だったからね。驚いたし、それなりにロイに対してやるせない感情にはなったけど、怒りの領域にまではならなかったわ」
ユミナは一つ小さく息を吐いて、肩に担いだ剣をユラユラと揺らした。
「だが…君がロイ君を恨んでいる事は確かなのだろう?」
「そうよ。…事件の詳細を父から聞いた後、もう一度ロイの家に行ったわ。彼を問い詰める気なんて無かった。ただ、彼の口からどうして火の魔法を使ったのか聞きたかっただけで、言いたくなかったら別にそれでもいいと思ってたのよ…でも、彼の口から出たのは予想外の言葉だったわ」
「…う…」
ロイは顔を歪めながら、ユミナの方を向いた。
「『僕の事は放っておいてよ!ユミナ姉ちゃんだって、どうせリアを酷い目に遭わせようとしてたんだろ!その光の力を使って、姉ちゃんのお父さんみたいにさ!』って、あはははっ」
ユミナはそう言ってロイを見ると、愉快そうに笑った。
「私、あんたにあのクズみたいな父親と同じって見られてた訳だ。しかも、ハーフの私を暗に嫌ってました、っていうおまけ付き。…ふざけないでよ…」
肩に担いでいた剣を振り下ろして、ユミナは声を荒げた。