ガタンゴトン…ガタンゴトン…
おんなじ色の電車。
おんなじ位置の車両。
おんなじ満員電車。
毎日繰り返し利用する帰宅経路。
今日は珍しく座席に座ることができた。
ふと、外に目をやると臨海公園の観覧車が夜のライトアップで七色に光っている。
…深く、ため息を付く。
俺は疲れ切っていた。
目を閉じ、いつもより少しだけ深めに座席に腰を沈めるようにした。
そして…
いつの間にか、俺はウトウト眠りについてしまう。
…。
……。
………ん?
どれ位、眠っていたのだろうか…。
寝ぼけ眼をゴシゴシこすり、そんな事を考える。
…あ!?
降りる駅は!?
すっかり寝過ごした!と思い辺りを見渡すと…
何故か車内には…
俺1人しか居なかった。
???
しばらく状況が把握しきれないで呆然とする俺…。
…待て待て。
確か、いつもの電車に乗り…
臨海公園を過ぎた辺りでウトウトして眠ってしまったような気がする。
しかし…
ここは…どこだ?
なんで、俺1人しかこの車両に居ない?
時計の針は23時57分を指している。
電車に乗ったのは確か17時53分だから…。
もう6時間は経過しているじゃないか!
明らかに、終点をとっくに通り過ぎている時間…。
俺は今、どこにいるんだ…?
俺は、思いついたように窓から外を見渡した。
しかし…。
辺りは真っ暗で何も見えなかった。
その時。
突然、車内アナウンスが響き渡る。
つづく