「じゃあ…、もう別れるってこと…だよね…。宏樹はいつも強いね…。」
「後で後悔するって分かってるけど、遠距離は寂しーわっ…。今の状態はたえられねーよ正直。」
二年の恋、意外にあっさり終わった。
彼と出会ったのは今から四年前。入社式の時。私には当時彼がいた。彼と結婚するつもりだった。付き合って六年、来年、結婚しようねと言われてから三ヶ月後、彼は私から去って行った。
死にたい、死にたい、死にたいそれ以外何も浮かばなかった。
毎日何の為に生きればいいのか、私には彼が全てで、あんなに人を愛したコトはなかった。
彼はほかに好きな人ができたらしいということを友達伝いに聞いた。あんなにお互い分かりあってると思ってたのに、私は彼の気持ちに全く気付いていなかった。
振られた時はちょうど仕事が忙しい時期で、仕事をしているときだけ元カレを忘れてられた。
私の人生でこんなに辛い思いをしたのはこれが初めてだった…。
振られて一ヶ月くらいたった時、偶然街で宏樹に会った。私は友達と飲んだ帰りで、宏樹もコンパの帰りだった。
「久々飲み行かない?」と宏樹が言った。
「久々だし、いこっかな。」と言って、宏樹がよくいくバーに入った。
少し酔ってた私は、彼氏に振られた事を一方的に話していた。宏樹は今まで見たことのない私の落ち込みように驚いてた。でも私が落ち込んでいる事は街で会った瞬間に気付いてたらしい。だから気になって誘ったんだろう。確かにここ数カ月で体重は相当落ちたし、これほど人って変わるのかって自分自身感じるくらいだったから、久しぶりに会った宏樹には私の異変が分かりやすかったはずだ。
宏樹は私の話をずっと聞いてくれた。しかも決して元カレを否定することもしなかった。
私の話を聞いて、ただ一言「前に進むしかねーぞ」と言った。
そんなコト私だって分かってた。どんなに元カレを思っても二度と戻ってはこないこと、頭では分かってた。前に進むしかないって自分にも言い聞かせてた。でも人間ってそんな単純じゃない。私の気持ちなんてだれにも分からないよ……そんなことばかり思っていた。