亜樹は、朝から父の事が気になって早く病院に行きたい気持ちだった
昨日の事が、夢ならいいのにって何度思ってても、母から来たメールでこれが現実って突き付けられる内容で、また亜樹の頬を涙が流れた、、
昨日から、どれだけ泣いたか分からないけど涙は枯れないものだと亜樹は思った
病院に着くと、亜樹の弟の圭吾が来ていた。圭吾の目も心なしか潤んでた、、
「姉ちゃん、親父は俺の事も分からなくなってるけど、、、」
「昨日会った時は、私の名前呼んだけど、今日は分からないかもね、、」
「まさか、先月みんなで行った旅行が最後になるなら、親父にお酒飲ませてあげればよかった、、」
そう言うと、悔しそうに下を向いて黙った、、、
その時、父の担当医が説明があるので、来て下さいと言って母と圭吾、亜樹で病室を後にした、、、
個室に通され3人は、座っては見たもの空気が重い。担当医が開口一番に言った言葉は
「今週が一つの山になるのと、今週末を乗り切れても年は越せるか分かりませんので、、、」
「えっ?じゃあ主人は、後二週間って事ですか?」
「断言は出来かねませんが、それなりの覚悟をと、ご家族の誰かが24時間付き添って下さい」
そう単調に説明すると担当医は個室を出た、、
亜樹は、この担当医が嫌いだった。何でも流れ作業的に話すところと冷たい感じがするからだった