一年生が終わろうとしていたころ。母が話した。「ママねぇ、お腹に赤ちゃんがいるのよ」
嫌だ…ママを取られる!!それがあたしの率直な感想だ。だけど母の幸せそうな笑顔を見るとそんなこと口が裂けても言えなかった。それから母は病院に通い、あたしはおばあちゃんの家に預けられる事が多くなった。それか父と家で留守番か…どちらかだった。初めて一人での留守番を体験した。父が母を病院に迎えに行った時だ。そう、子供が生まれたのだ。弟らしい。心配だった。あたしはこのまま一人で忘れ去られるんじゃないかと。でもすぐに帰って来てくれて初めて弟を見た。不思議な事にその弟の顔を見たら可愛くて可愛くて。そんな心配は全くなくなった。その頃あたしは小学二年生。それから何年かは幸せに家族五人で暮らした。けどあたしが大きくなるに連れて、別の心配が生まれだんだん大きくなっていった。