『俺は･･･絶対結婚しない･･･。だって絶対に･･･幸せに出来ないから･･･。俺は、誰のことも幸せにしてあげられないから･･･。だから･･･｢結婚しよう｣って言われたら･･･別れるしかないんだよね･･･。どんなに好きでも･･･』
『・・・』
私は･･･今にも泣きそうだった･･･
だって秀が･･･そんなこと言うなんて･･･
そんな風に想ってるほど･･･それほど辛かったなんて･･･
それほど傷ついてたなんて･･･
ずっと一人で悩んでいたんだね･･･。
秀の気持ちを考えるだけで･･･涙が溢れたよ･･･。
秀の辛さを想うと･･･胸が張り裂けそうなくらい･･･苦しくて耐えられない･･･。
私は･･･そんな秀の心の苦しみを、少しでも理解したくて･･･
とっさに･･･聴かないようにしていた事を、聴いてしまった･･･
『でもさぁ･･･今までに、結婚したいと想った人はいなかったの･･･？』
一番気になっていたその事に･･･胸の鼓動だけが響いていた･･･
『いたよ･･･。っていうか、みんなそう想ってたよ･･･。みんな･･･結婚したいと想うほど･･･好きだったよ･･･』
『･･･そっか･･･』
その時･･･
胸の奥がキュンとして･･･心が締め付けられるような、切なさでいっぱいだった･･･
私はきっと、心のどこかで･･･『一人もいなかったよ』って言ってくれる事を期待してたんだと思う･･･。
バカだよね･･･ほんと馬鹿だよ私は･･･
今さら何を期待しても意味ないのにね･･･。
秀はもっと･･･軽いのかと想ってた･･･
自分から告白したこと無いくらい･･･ずっと女の子からモテモテで･･･来るもの拒まずって感じだったから･･･
だからそんな･･･
秀の真剣な想いを聴いたら･･･
胸が苦しくてたまらないよ･･･。
この気持ちはどうしたらいいの･･･
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