私の心の中は、ずっとモヤモヤしていた。淳の事で、頭が一杯になっていた―\r
茉莉子の就職活動の話や、麗華の大学の話で、かれこれ、一時間位、三人で話をしていた。その間も、私は、ずっと淳の事を考えていた。麗華や茉莉子の話は、ほぼ右から左だった。話の途中で、ふと腕時計を見た。時計の針は、八時半を指していた。
「もう、八時半なんだね。」
話に、殆んど頭が参加して居なかった私は、二人の話の腰を折る様にボソっと言った。
「えっ?嘘?もう、そんな時間なの?」
まるで、時間を気にして居無さそうな麗華は、驚いた様子で言った。
「淳のお店のパーティって、何時からだったっけ?」
茉莉子も、麗華と同じく驚いて、腕時計を見ながら、続けた。
「十時からだよね?」
私は、麗華に腰を上げて貰おうと、目を見て話を振った。
「そうそう、十時からじゃん、夕飯は?食べて無いよ。どうする?何か食べとかないと、悪酔いしちゃいそうだし・・・、ねぇ?」
麗華は、茉莉子の顔を見て、椅子から、腰を浮かし、荷物を整理しながら、言った。
「そうだよね?夕飯は、食べておかなきゃ・・・。そう言えばお腹も減ったし・・・、ね?」
今度は、私に同意を求めて、茉莉子が言った。
「・・・、うん。クラブが近くだから、この辺で、軽く夕飯を食べてから、行けば、十時には間に合うしね・・・。ね?」
こう言う時、仕切り屋で、サバサバしている麗華に、いつも決定権が有る。
「うん、そうしよ!適当にご飯食べて、行こう。三人して遅れたら、悪いしね・・・。」
夕飯を近くのファストフード店で軽く済ませて、九時五十分には、クラブ前に三人で歩いて向かった。