『ひ、人はそんなに簡単に変われないよ!』
真澄は泣きそうだった。『変われないんじゃなくて変わろうとしないだけでしょ。好きな人からも逃げて自分からも逃げる。そんな、逃亡者みたいに逃げ回ってどうするの』
言っちゃった…。
『わ…私だって…頑張って変わろうとしてるんだよ…』
ついに泣いちゃった…。『私は、真澄の為に言っているんだよ』
『そうだよね…。全部私が臆病なせいだよね…』いや、そこまでは…。
『ごめんね…。ありがとう』
そして真澄は教室から出ていった。
家に帰り、ベッドに横になりながら今日のことを考えた。よく考えれば私の方がヤッパリ悪いような気がしてきた。真澄に悪いことをしちゃったな…。そんなことを考えているとメールが来た。真澄からだった。
《茜のおかげで自信がついたよ》
という内容だった。
《ごめん、私の方が悪いのにあんなこと言っちゃって》
と返信した。
《そんなことないよ。茜は私の為に言ってくれたんだもん》
真澄の優しさで、悲しみがこみ上げてきた。その優しさを少しでも良いからわけてもらいたくなった。
真澄だったらきっとうまくいくよ。だって…一番大切な物をあなたは持っているんだから…