飲みに行ってから毎日のように宏樹から連絡がくるようになった。
「大丈夫かー?」「飯くってるか?」「土日ドライブでもいく?」ほんとに毎日連絡してくれた。死にたいと言ってる人をただほっとけないだけだったかもしれないが…。
「宏樹優しいね…。宏樹は彼女いないの?」
「いないよ。まぁ今は由美と遊んでるのが楽しいしな。」
「でもあたしといると出会いのチャンスなくなっちゃうよ?」
「てかオレの心配してる場合じゃねーだろ?」
「確かにね…。」
そんな関係が三ヶ月くらい続いてた。でも付き合ってる訳じゃないから宏樹から連絡ない日もあった。連絡ない日、宏樹の事は考えないように寝ようかなと思ってると、携帯が鳴った。宏樹からだった。
「あ〜今日飲み会あって疲れた〜。あっもしかして寝てた?」
「んーん。」
「今日さぁ仕事でさぁ…」
いつものように宏樹は仕事の話をする。
「宏樹も大変だね。無理しないでね。」
そんな当たり障りのない会話をして、
「もう一時だよ、宏樹眠いんじゃない?」
「おう、ホントだ、じゃおやすみ〜」
って電話を切る。連絡ないと思ってただけに余計に嬉しかった。
私はいつの間にか宏樹の電話を待つようになっていた。そして宏樹が電話を億劫に思わないように、30分くらい話したらそれとなく眠くないか確認して、電話を切るようにしていた。
三ヶ月たった頃、久しぶりに元カレからメールが入った。私の家に置いてた荷物を送ってほしいっていう、冷たい感じのメールだった。三ヶ月たって宏樹がそばにいて少しずつだけど元カレを忘れはじめてたのに彼の素っ気ないメールにすら喜びを感じてた。一人で部屋にいた私は、いてもたってもいられなくり、気付いたら宏樹に電話していた。 「どうしよう。たいしたメールでもないのに、心が動揺してる。あんなひどいことされたのに、まだ好きなのかな…。」
そんこと宏樹に言ってもどうしようもないのに。宏樹はまた「前に進むしかねーよ」とだけいった。
その時私は、しばらく宏樹とは連絡とらないでおこう、そうでもしないと宏樹にすぐ頼って前にも進めない。宏樹も彼女ほしいのに私といたらなかなか出会う機会もなくなるし。お互いの為にもそれがいいんだって自分に言い聞かせた。