M.Tに仕掛けられた爆弾はいつ爆発するのか分らない今、頼りになるのはニッケルとの会話しかない。しかし、2回目を流しても海沿いって事しか分からなかった。リスターは警官にすぐに湾岸警備隊に捜索を依頼した
ダル達は藁にもすがる思いで3回目の録音を流した。するとハッキリとタンカーの汽笛が聞こえたのだ。会話を聞くのに必死になってこんな音を聞き逃すとは……自分が情けなく感じたが、それ以上に嬉しさが込み上げた
「待ってよ……この時間でタンカーの汽笛が聞こえる場所は………」
エドがダルから携帯をとって着信履歴を確認して必死に自分の情報を思い出していた
ダルは、エドが思い出してくれる事を信じて4回目の最後の会話を流した
その途中で
「分かった!灯台だ!」
録音の音しか聞こえない静寂を壊してエドが大声で叫んで立上がり、パトカーに乗り込んだ。ダルもその答えを聞くと有無を言わずにエドに続いた
2人が乗り込んだ車はすぐに灯台へと向かった
「なるほど…あの無人灯台か」
納得したようにダルが言うと
「そう。あそこなら人気もないからね。それにタンカーはあそこを通る時汽笛を鳴す条約があるからね」
エドが付け足しに説明をすると、スピードをさらにあげた
しかし、現在15:35……爆発まで残り15分を切った!
エドは信号等交通ルールを一切無視して全速力で灯台に向かった
〜15:45〜
ダル達は灯台に着いた
文字通り車を乗り捨てる様に降りた2人は灯台を見るが、まだ爆発した形跡はなくほっとしていた
ダルとエドは折れた肋骨の痛みに耐えながらかけ上がった
最上階まで上ると二人は一気にドアを開けた
「「M.T!」」
2人が叫びながら中に入るとビクッとしてボロボロに泣き崩れていたM.Tの姿があった
M.Tは中央の柱に手錠で拘束され、口にはガムテープが張られていた
M.Tは2人の姿を見た瞬間にまた涙が溢れて来た
ダルがガムテープをはがすと
「だっダルぅ・エドぉ」
M.Tは、声にならない声で泣きじゃくると2人はM.Tに抱き付いた
「本当に良かった」
「大丈夫だった?」
2人は想い想いに声をかけると
ピッピッピッ
背後から二度と聞きたく無かった音が聞こえた