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1学期が終わり、夏休み――
2年生の夏休みともなると、
周りは、夏期講習などで勉強に費やす時間が多くなる時期。
あたしと聖人は、塾通いをしていなかったから、
この夏休みは、2人で一緒に勉強会をしようねって、約束したんだ。
ケド、せっかくの夏休み。
勉強ばかりしていても楽しくないから、
この日は久しぶりに、ミズホさんとサトル君に会って、4人でカラオケに行ったんだ。
あはっっ。
もちろん、カラオケ嫌いの聖人を無理に誘って♪
『奈央ちゃ〜ん♪サトル連れて来たよぉ〜♪』
ミズホさんが、その愛くるしい笑顔で、サトル君と一緒に登場した。
『奈央ちゃん久しぶりだね!!元気してた?!聖人とうまくヤッてる?!』
ミズホさんの横に立つサトル君の、キャラメル色に染められた髪の毛と髪型に、
あたしは、すごく驚かされたんだ。
だって、中学のトキのサトル君は、ずっと坊主頭だったから。
『よォ、ミズホとサトルこそ、うまくヤッてんじゃん?!』
聖人が、少しからかい口調でサトル君に、そう言うと、
『そ。見ての通り、俺達すげぇうまくいってっから。』
なんて、サトル君は少し照れていたっけ。
『さてと、今日は4人の久々の再会と言うコトで、カラオケ屋にレッツゴー!!』
ミズホさんの掛け声に、
『おぅ。』
『はぁ〜い♪』
ノリノリの返事をしたケド、
聖人は、1人で浮かない顔をしてた。
『あの‥さ、やっぱカラオケやめて、ボーリングにしようゼ‥‥駄目?!』
懇願するような、切ない眼差しで訴える聖人に、
『だぁあ〜〜めッッ!!』
あたし達3人は、口を揃えて答えた。
ぷぷっっ‥‥。
一瞬、がっかりした様な表情をし、肩を落とす聖人が、
なんだかすごく、
可愛かった。