MOON TEARS-決意-

なぉ  2009-03-04投稿
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尚ちゃんも寄りかかりたかったんだと思った。
しんどいって一言が言えない人だから。
気持ちを投げ出せない人だから。
ただ私は、抱きしめることしか出来ないでいたけど…

尚ちゃんは、呟いた。
「悪いな、忘れて」
そう言うと離れた。
まだ目は涙目だった。
私は尚ちゃんの服の裾を掴んではなせないでいた。

尚ちゃんは、私の頭をポンポンとなでた。
「桃ちゃん…」
私はダメだよって優しく諭されている様に聞こえた。

わかっている。
わかっているのに…駄々っ子みたいになってしまう。

「帰る…」
そう言うのがやっとだった。

「おりこうさん」
そう言って人差し指で私のほっぺをつついた。

「やめて!子どもじゃない」
私がすねると、
「子どもでいいよ」
と笑った。
その時の笑顔があまりに哀しくて私の胸は切なくなるばかりだった。

尚ちゃんにラインをひかれたけど、きっと何かある…

尚ちゃんが抱えている闇。

尚ちゃんが許してくれるまで私は待とう。

もうあんなに哀しい笑顔みたくない。

肩震えて泣く姿なんかみたくない。

私が尚ちゃんを守ってあげたい。

尚ちゃんにとっては、気の緩みだったとしても私は守りたい。

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