瓦礫をいくつ除けただろう。もとより数える気などなかったので答えが出るはずもないが、リズはふと思った。
これは人間が存在した証。島によって消された、これもまた忘れられたモノ。しかしここでなければ手に入れられないもの、リズが欲する物があった。服が汗で濡れている不快な気分を歩き続けることで紛らわしながら、リズは目的地にたどり着いた。
「やっと見つけた…!至宝…4つめ」
リズは腰の革袋を開け、輝くその石を掴み入れた。島のかけらは道の上では至宝と呼ばれ、この世の美しさではない。島に続く“道標”をリズは集めていた。