カイストランドの王城、ダークパレスの一室。
そこではエリウスとマギウスが酒を酌み交わしながら、今後の事について話し合っていた。
「さてさてエリウスよ…あの連中を捨てた後はどうする積もりじゃな?」
「まずは彼等の反応を見る事ですね。光のソードメーカーが砦を潰しに来たと分かれば、例え女王が止めたとしても、光側に攻撃を加えざるをえないでしょうから」
「そうじゃのぉ」
エリウスは愉快そうに笑いながら、ワインを飲み干した。
「…所で、あれからダリウス殿とは会っておるのかな?」
「!」
マギウスは一瞬、目を大きく見開いた。
「ダリウス殿ですか…?いえ、会っていませんが」
「そうか」
エリウスは短くそう言って、手に持っていたワイングラスを静かに置いた。
その瞬間、マギウスの背後から黒装束を身につけた人物がぬっと現れて、彼の首筋に短剣を当てた。
「エリウス様…これはどういう事でしょうか…?」
マギウスは短剣の刃から伝わる冷たい感触を感じながら、エリウスを睨みつけた。
「マギウスよ。お前さんが会議で策謀を披露した後、廊下でわしが一枚の紙を見せたであろう?」
「…」
「あれを見て言ったお主の言葉。あれが致命的じゃったな」