「随分なご挨拶じゃなくて?私はリズを道へ追い込んだのに」
かなり素直に白状したなと思いつつ、拍子抜けした様子を悟らせまいと不敵な笑いを浮かべたリズは、自分の髪と同じ赤い色彩を持った女性を見上げた。眺め回すと確かに祖母の若い頃に似ていなくもない。
「祖母はもう亡くなったことは知ってるわよね?」
それなのに、祖母を名乗るは祖母か私への挑戦か。
「欲しいんでしょ?だから悪趣味な策で、私から至宝を奪おうとしてるのね?」確かにリズをこんな道へ追い込んだのは祖母だ。しかし、歩いた結果は自分の物。奪わせはしないと誓った。