表参道沿いのオープンカフェを出て、三人で、少し歩いた先に有る、ファストフード店に入った。個々に注文を済ませると、店の二階席へトレイを持って上がった。
「席、ここで良いよね?」
麗華は、そう言うと、一番端の向かい合う二人席に、隣のテーブルをくっ付けて、椅子を移動しながら、自分の鞄を置いた。
「うん。」
私と茉莉子は、一番端の席に向かい合って座り、麗華の前の席に、各々、荷物を置いた。
「でさぁ・・・、さっきは言わなかったけど、淳の別れた彼女がねぇ・・・。」
麗華は、席に着くなり、注文したポテトを口に運びながら茉莉子に同意を求める様に話し始めた。
「ねぇ・・・。って?あの、自殺未遂したって言う彼女が、どうしたの?」
「ちょっと!!」
麗華は、私の顔をチラっと見て、茉莉子の肩を思いっ切り叩いた。
「あっ・・・。ゴメン。露骨だったね、ちょっと。」
「ううん、良いよ。私、あっちゃんから、聞いてるし。」
私は、話の先が気になりながらも、茉莉子に精一杯の笑顔を返して見せた。
「茉莉子、あんた淳から何も聞いて無いの?」
「その・・・、彼女が手首?を切った日より後の事は、聞いて無いけど?淳、この間逢った時も、何も言って無かったし。で、どうしたの?」
麗華は、私と茉莉子の目を交互にキョロキョロ見て、最後は下を向いて続けた。
「この間、電話掛けて来た時、淳が言ってたのよね。その彼女と別れたくても、別れられ無くて、悩んでるって。」
「どうして?もう、好きじゃ無いんでしょ?彼女の事。」
「また、手首切るって言ったらしいよ。別れたいって言ったら。淳、馬鹿だから、香里の事、話したらしいの。昔の彼女の事が、まだ好きだって。」
麗華の言葉を聞いて、私は、硬直して、動け無くなっていた―