時と空の唄12-12

花神ミライ  2009-03-04投稿
閲覧数[280] 良い投票[0] 悪い投票[0]


フォーが手を伸ばす。
しかし、その手をすり抜けるようにレミスは倒れた。
「…くそッ…!」
ランスォールが黒スーツを一人斬る。
「もう、許しません。
『銀色の風 戦慄の旋律 戒めの裁きを』!!」
雪が叫ぶように唱えた。
すると黒スーツたちは無数の風の刃に切り刻まれ、たちまち数は減った。
「よくやった、雪!」
残りはラウフが素早い動きで片付けた。
「今治癒術を…」
シーラが術を使おうと膝をつく。
「よい…」
レミスは優しい声で言った。
「親父、何言って…」
「自分の、体じゃ。わしのことはわしが一番わかっておる…。」
レミスから流れ出る血は全く止まる気配がない。
「フォー…」
目が見えていないのか、レミスは手だけでフォーを探す。
フォーがしっかりとその手を掴んだ。
「血の繋がりはなかったが、お前との20年は、悪くなかった…。」
「親父ィ……ッ」
「シーラ…」
「はい。」
「質問の答えをやろう。」
シーラが顔を近づけるとレミスはそっと耳打ちをした。
「…そうですか…。」
「神器を奉る儀式の場は、この世の最北の地…ルメール神殿の…最深部のルメリア洞窟じゃ……」
レミスはそう言って眠る為に目を閉じた。
スゥ、と一度深呼吸すればレミスが二度と目覚めることはなかった。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 花神ミライ 」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]
ブツブツ・ザラザラ…
ツルリン綺麗な美肌♪


▲ページトップ