この話は主人公であるトオルの恋物語だ。
新学期が始まり、班編成が行われトオルはナナミ、メグミ、アンナ、コウスケと同じ班になった。
この班はナナミとメグミが一緒になったせいで1番うるさい班になってしまった。
トオルはメグミの隣の席、ナナミはメグミの後ろの席だった。 トオルとメグミはどの授業でもふざけ合い、先生に注意されていた。
メグミはいつもトオルの事を嫌がっていたが、それは表面上のメグミであった。
それを見てナナミはたびたび「仲イイね。」と笑いながら言うのに対し、トオルは「まぁネ。」と言いながらメグミの肩をポンポンを叩く。するとすぐにメグミは「触るなボケ!」と仲の悪い事をアピールする。
もぅ、誰が見てもメグミがトオルを好きな事がわかった。クラスのでは「2人は付き合っている。」と噂はたった。
メグミとトオルは一緒には来ないが、いつも朝早くに学校に来て話していた。それを見てそこに加わるのがケンだった。
そして、3人は卒業を迎えメグミはトオルに告白する。M:「気づいてたかもしれないけど…ずっと好きだった。…付き合って。」
トオルはT:「すごく嬉しい。けど…俺たちってそういうのじゃなくない?」
M:「どういうこと?」
T:「お前とは付き合えないよ。」
そして2人は卒業したため顔を合わせることがなくなった。 トオルは日々の物足りなさに気づいたのだ。
『メグミの事が好きな自分に。』
トオルはすぐに連絡を取り逢うことにした。
2人はしばし黙り込んだ。トオルの重い口を開いて、
T:「ホント自分勝手だけど俺、やっぱりお前がいないとだめだ!付き合ってくれ。」
しかし、メグミは黙ったままだ。トオルは言葉を続ける。
T:「怒ってるのは…」
M:「違う。怒ってないけど…。」
T:「けど、何?」
M:「私、今ケンと付き合ってるの。」
頭の中が真っ白になった。トオルと仲の良かったケンはずっとメグミが好きだった。ケンはメグミがトオルに振られたことを知り告白してたのだった。
M:「なんで、なんで…遅すぎだよ。」と言いながら立ち去った。メグミの声は震えていた。たぶんないていたんだと思う。
トオルは『ハッ』っとしてメグミを追いかけた。
メグミを見つけ腕を掴む。メグミは振り返らず立ち止まった。やっぱり泣いている。
トオルは後ろから優しく抱きしめ、言った。
T:「待ってるから。俺、ずっとメグミを待つ。」
つづく…。