「ぅわっ!?」
本を開いた瞬間足場がなくなり、体が浮いた感じがした。
・・・いや、浮いてるんじゃない。落ちている!!
ドサッ
叫ぶ間もなく底についたようだ。
「ぐっ・・・。」
僕はうつぶせになるように倒れていた。体の前表面がまるでプールで腹打ちしたかのように痛い・・・。
「(・・・へ!?てゆぅか生きてる!?)」
心臓がバクバクしてる。額に冷や汗が流れていた。 「(何だったんだ・・・。さっきのは。)」 手を強く握り締める。・・・クシャ。何かをつかんでいた。
「クシャ?」
顔を上げるとそこは見渡すかぎりの野原や花畑で手には草を握っていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ、夢か!!」
夢だと思ったら全てがすんなり理解できた。
「(それにしてもやけにリアルな感覚のする夢だな。それにこんな所見たこともないのに・・・。)」
周りを見渡すと少し離れた所に林が見える。
その木陰には・・・人!?
「(さっきは野原だけに見えたのに、さすが夢だな。すごい適当。それにあそこに寝てるのは・・・)」
近づいてみると、やっぱりだ。
「さっき見た本の女の子じゃないか。」
遠くからでもわかる水色のドレスに白いエプロン、それに金髪。目立つな・・・。
「(そういえば、アリスではこの後は確かウサギが・・・)」
ガサガサガサッ
ゾクッ 今、林の奥を何かが動いた。それにさっき一瞬目に映った黒い影は確実にウサギとは違う・・・。