奈央と出会えたから。<330>

麻呂  2009-03-05投稿
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『‥‥しゃーねぇな。高いゼ?!』


聖人は、そう言うと椅子から立ち上がり、



ミズホさんから受け取ったばかりのマイクを、氷室スタイルに持ち直すと、



“わがままジュリエット”を歌ってくれたんだ。





無き顔でスマイル


すりきれてシャイン

踊るならレイン


ピントはずれの


わがままジュリエット





『へぇ〜♪上手いじゃん?!聖人。

ねぇ、奈央ちゃん?!』



ミズホさんが、大きな瞳をキラキラさせながら、あたしに言った。



『はい‥‥。あたしもビックリしちゃいました。』



迷わずそう答えた。


だって、上手なんだもん。



聖人の歌。



不思議だ。



聖人の声って、歌うと少しハスキーに聞こえる。



まるで、本物の氷室みたい。



『あー、そうそう。実は俺も昔からBOOWY好きなんだよねー。歌っちゃっていいかなァ???』



聖人の歌に、うっとり聴き入っていた、あたしとミズホさんに向かって、



不意に発せられた、サトル君の言葉が、


ミズホさんを少し、ムッとさせてしまったみたい。



『しーっっ!!

サトル、うるさい!!今、聖人が歌ってんじゃん。静かにして!!』



『分かったよ。ちぇッ。』



ミズホさんの言葉に、さすがのサトル君も反省したみたい。


『Thanks!!愛してるゼ!!』



歌い終えた聖人は、あたし達の期待に応え、



最後は氷室のライブでの決めゼリフでしめてくれた。



『キャーッ!!カッコイイ!!

聖人、氷室サンそっくり〜!!』



ミズホさんてば、



すっかり、はしゃいじゃって。



やっぱ、可愛いな♪


『うっせーな、ミズホは/////

だまって歌わせとけよな/////』



あはっ。



聖人も照れてるし。


照れ屋なんだよね。


ダイスキ☆



♪ ♪ ♪ ♪ ♪〜



その時、すごい大音量で、またまたBOOWYの曲が、かかったんだ。



『ジャスティ〜♪

季節はずれのアイリス〜♪』



えぇえ?!



サトル君が聖人に対抗して、BOOWYの“JUSTY”を入れたんだ。

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