水溜まりも悪くない。

アイ  2009-03-05投稿
閲覧数[496] 良い投票[0] 悪い投票[0]


僕の右手に乗せた涙は

あなたのための涙です

僕の左手に乗せた心は

僕のための心です

あげられない

心までは

あなたのために泣くことはできても

しょせんはその程度

愛なんて言っても口先ばかりで

じゃあやめましょう

くだらないことを語り合うのは

信頼すら築けない不器用な僕らは

しょせん濁った水溜まり

風が吹けば簡単に揺らいで

太陽の力ですぐに蒸発する

はかなくちっぽけな水溜まり

でもねえ

虹をうつすこともあるにはあって

時には笑いながら肩を叩き合って

だから

空と大地をつなぐ雨が

作る水溜まりも悪くはないと

微笑むあなたを見ていたら

なんだかほっこりと幸せになって

僕らの間に愛はないけど

馴れ合いと喧嘩と小さな優しさ

まるで太陽に水面を光らせる水溜まりのようにぬるい日々を

今日も一緒に生きてる

贅沢言わなきゃ

これも結構幸せだって



空にはなれなくても空をうつすことはできるから

今はそれでよしとしようよ


……なあんて、他愛のない会話をして過ごす午後。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 アイ 」さんの小説

もっと見る

詩・短歌・俳句の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ