すべてが運命なら

春樹  2009-03-05投稿
閲覧数[295] 良い投票[0] 悪い投票[0]

普通に始まった私の中学生活。

中学一年も、半分以上過ぎた頃、席替えをすることになった。

席の決め方はくじ引き形式。

先生が、紙に机の数だけ数字を書いて、男子と女子がそれぞれ別々に数字の書かれた紙を引くという決め方だった。

その席替えで隣の席になったのが、あの消しゴムを落とした男の子だった。

私はその男の子の事は、すっかり忘れていたし、興味もなかった。

その男の子の名前は一安(かずや)。

一安は毎日の様に遅刻してきていた。

入学式から半分以上経って、一安は初めて逢った時の印象などまったく無くなっていた。

私が廊下で男子と話していると、一安がいきなり後ろから叩いて逃げて行ったりした。

可愛い所もあった。

自分の弟が可愛いと言って写真を見せてくれたりした。

2月26日その日は社会科見学の日で、決められた班ごとに近くの工場へ行く事になっていた。

その帰り道私は、一安ともうひとりの男子と三人で喋りながら帰った。

やっと学校に着くと、そのまま帰宅。

その日の夜、私の家の電話がなった。

私が受話器を取った。

一安からだった。

「どうしたの?」

私は少しビックリした。

「お前さー俺と付き合っちゃえば」

一安の突然の自信ありげな告白。

「なんで?付き合わないよ」

私は笑い混じりで答えた。

「なんで?お前後悔するよ」

一安も笑いながら言った。

「後悔しないよ」

そんな会話を30分くらいして電話を切った。

それから三日位、一安は毎日電話をしてきて、同じセリフを繰り返していた。

私の心もしだいに揺れ始めていた。




投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 春樹 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
人気カラコン送料無料
ポイント20倍で激安!


▲ページトップ