神の丘〜二人〜?

佐奈  2009-03-05投稿
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「ヒッ‥!!」

子供達が声をあげた。

「聖書台の後ろに隠れていなさい」

「‥でも、クロム‥」

「早く!」

子供達は鼻をすすりながら聖書台の後ろに隠れた。

「無力な子供に手を上げるのは、大人のすべき事ではない!!」

「へっ!”しんぷ”の説教なんて聞きたくね〜な。その高そうな剣をこっちによこしな!」

ゴンザが指を鳴らしながら近づいて来た。

クロムが剣を抜こうとした瞬間、軽い風が顔にあたり、目の前の視界が黒くさえぎられた。

「いでーー!!」

その瞬間、ゴンザの悲鳴が聞こえた。

「憂牙!!」

憂牙はゴンザの組み合わせている両手首を片手でつかをでいた。ゴンザはあまりの痛さにうずくまってしまった。

「なっ‥なんだ、こいつ!!」

チンピラ風の男は、うずくまっているゴンザの姿を見て、持っている銃を両手で強く握り締めた。

憂牙はゴンザの横をゆっくり通り過ぎ、チンピラ風の男の前に立った。

「お前、この銃が見えないのか!」

男は憂牙に銃を突き付ける。

「よく出来たエアーソフトガンだな。この銃と勝負してみるか?」

そう言って、男のエアーソフトガンの銃口の高さに銃を突き付けた。

「さあ、撃ってみな」

不適な笑みを浮かべ、憂牙は言った。”ヒィィィ〜”という声と同時に、チンピラ風の男は銃を床に落とし教会から逃げたした。

銃口は、うずくまって涙を浮かべ腕をさすっているゴンザに向けられた。

「お前はどうする?」

「ゆっ、許して‥」


「ゴンザ!!!」

ゴンザの言葉をさえぎって、甲高い女ね声がした。

「ああ〜、ゲン婆!」

「ばっ、ばーちゃん!!」

子供達とゴンザが、驚いて教会の入り口に立っているゲン婆に向かって叫んだ。

ゲン婆の足元には林檎が入っていた紙袋と、真っ赤な林檎が四つ転がっていた。

「あっ、あんた!」

そう言いながら、凄い剣幕で杖をカツカツと早く鳴らしながら、憂牙とゴンザの前に駆け寄った。そしてもっている杖を高く振り上げ、”ガッツ!!”と、その杖をゴンザの頭に振り下ろした。


つづく

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