残り香2<23>

na+o+  2009-03-05投稿
閲覧数[461] 良い投票[0] 悪い投票[0]

ピピピピッ カチッ

「あーもう朝かぁ〜、さぁ、行くか。」


“岸本心療内科”

岸本学先生僕の主治医だもう6年の付き合いになる。先生には、失礼だが何か先生らしくないところが良かったのかも知れない。
僕の“こころ”を一番知っている人だ。


「広瀬さん、どうぞ」

「二週間ぶりだねだね、どう?仕事の方は。」

「はぁ、まぁ順調ですね」
「そう。所で天気のいい日や夜はどう?もう、大分落ちついてるみたいだけど。」

カルテをペラペラとめくっていた

「…大分、いいです。たまに夜が寝れませんが、家で仕事の続きをしたりしているので錯覚かも知れません」

「薬もたまに出す程度だしあの頃に比べると凄く良くなっていってるよ」

「…………。」

「歩夢君もう君も分かってきてるよね。そろそろワンステップ・ツーステップふみだそうか。
家族以外は、君の事知ってるのは…」

「会社の同僚です」

「そっか、どうだろ少し踏み込んで殻をつっつきながら最終的には、割ってみないか?時期的にもういい頃なのは君が一番解ってるだろう?」

「自分でも、分かってるんです。“キッカケ”がなかなか掴めなくて」

「…。やってみよう焦らず、とにかく仕事も君も‥ね。」

「はい、」

「1ヶ月後ね。歩夢君もう、いいんだよ。」

「………はい。」


思ったより早く病院が終わった。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 na+o+ 」さんの小説

もっと見る

公募投稿作品の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ