2002年5月、鑑別所から出たばかりの少年…
こいつの名前は、非道拓也…
親にも見捨てられ、帰る場所も、頼る人もいない。
途方にくれ、住み込みの仕事を探したがなかなか見つからない。
そんな時、
君も?ホスト?になろう、という求人広告を見つけた。
『…寮もあるし、面接だけでもいってみるか?』
面接は簡単なもので…
『じゃあ今日から仕事しょか?』
?!
そんな簡単に決めていいのか?
先輩に連れられて寮へ向かった…。
スーツに着替え、店に戻るのかと思きや…
商店街へ向かって歩き始めた。
?キャッチ?…?!
人見知りをする拓也だが、ナンパは得意だった。
しかし、現実は甘くない…
ナンパとは違う。店に来てもらい、お金を使って貰わないといけない。しかも、他の店の女性には何があっても声をかけられない。
どの女性が何処の店の客なのか…
解る訳がなかった…
その日は結局、何も出来ず店に戻った。
店は、面接に来た時には感じられなかった凄みが漂っていた。
女性に癒しを与える場所…
確かに嘘ではないようだった。普段、暗い顔をしていそうな人でも、明るく楽しんでいた。
新人は、酒を浴びるほど飲むのがこの店の?しきたり?らしい…
店に来る女性に顔を覚えてもらうためだ。
拓也は、言われた通に浴びるほど酒を飲み、限界になったら階段に吐きに行った。
吐きに行った時に…拓也は、
『飲む側よりも、飲ませる側になりたい、成り上がりてぇ…。』
壁を叩き、酔いを冷ましながらまた、店にもどったのだった。