見えない糸 11

もう30歳  2009-03-06投稿
閲覧数[160] 良い投票[0] 悪い投票[0]

信じられない。嬉しくて心臓がバクバク音をたてた。
それから、毎日多摩さんは家に来た。まるで新婚気分だった。
私は、今まで以上にどんどん多摩さんを好きになった。きっと、この先こんなに好きになれる人は現れない。
『赤い糸の運命』とまで思った。
そんな時、実家の母が倒れた。命にかかわる事ではないが、老いた父親と母親の世話の為、仕事をやめて実家にもどる事になった。
昼は家の手伝いをして、夜は地元の居酒屋でバイトした。
多摩さんとは、なかなか会えなくなったが毎日メールと電話は欠かさなかった。
多摩さんの休みに合わせ、居酒屋のバイトが終わる夜中に、車で2時間かかる道のりを毎週会いに行った。
クタクタで、時には半分眠りながらの道のりも多摩さんに会えれば疲れも忘れた。
そんな中、毎週家をあける私に両親が『好い人がいるなら、一度、連れて来るといい。』そう言った。もう、27歳になろうかとする娘を心配しての事だった。
『結婚』の二文字がよぎる…。
若かった頃はあまり意識しなかった。でも、27歳の今は、あの頃とは違う。
多摩さんと一緒に生きていきたい。
強く結婚を意識するようになっていた。

でも…。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 もう30歳 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ