さくら(3)

ヤンキース  2009-03-06投稿
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そのとき僕は1番きれいめな服を選んで緊張した面持ちで美咲の家へ向かった。
美咲の家へ着くと玄関の前で美咲が待っていた。
「大ちゃんちょっと緊張しすぎじゃない?」
「いや全然、全然。」
母ちゃんの部屋から持ってきた派手なハンカチで冷や汗を拭いながら答える僕。
「大丈夫だって。お父さん優しいから、一緒に暮らすこときっと許してくれるよ。」
美咲は自信満々だ。
「親父さん待ってるだろうから早く家に入ろうか。」
「うん、大ちゃんリラックスね。」
美咲の後に続き家に入る。
「おじゃまします。」
緊張からか声が少し震えていた。
すると奥から美咲のお母さんが出てきた。
「あら、大ちゃんいらっしゃい。合格おめでとう。まぁ、あがりなさいよ。」
おばちゃんはいつも陽気で気さくな人だ。
「ありがとうございます。合格できたのはたぶん運が良かっただけですよ。」
「それも大ちゃんの実力だとおばちゃんは思うよ。」
そう言われながらリビングへと通された。

リビングでは親父さんが煙草を吸いながら待っていた。
「どうも、こんにちは。」
やっぱりまだ声が震えているようだ。
「やぁ、大地くんこんにちは。」
今日の親父さんは何故か上機嫌だ。
テーブルの上にはビールの空き缶が4本あり、なるほどと思った。
「大事な話があると美咲から聞いたが一体何なんだ?」
僕は軽く深呼吸をして、今日がチャンスだと思いながらも真剣な顔で答えた。
「4月から美咲さんと一緒に暮らしたいと思っています!今日はその許可をもらいに来ました。どうかお願いします!」
一時の沈黙が続いた。



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