初めて名前を呼んだ。 メグミは黙っている。
T:「今年の12月25日、夜の7時にここで待ってる。それまで会わないし、連絡も取らない。その頃、俺の事が好きじゃないなら来なくてイイ。俺は絶対に待ってる。」
何も言わず首を縦に振るメグミを見てその場を離れた。
それから約束の日まで一日もメグミを忘れることなく、自分の気持ちに気付けなかった事に対して涙を流す夜もあった。
そして、当日……。
トオルは部活の関係で遅れるのは確実だった。けど、連絡は取れない。なぜなら、今まで我慢していた全ての事が無駄になり否定する事になると思ったからだ。
トオルは駅から必死に走った。人にぶつかりこけそうになっても、約束の場所まで全力で走った。
公園に着き時計を見る。すると針は無情にも8時を指していた。
T:「あ゛ーぁ!!」と嘆きながらベンチに座る。雪が降ってきた。白い息をはきながら空を見上げ息をととのえる。すると自然に涙が溢れ出しトオルはうつ向き、静かに泣いていた。
何分かたった頃、トオルの目の前に誰かが立ち止まった。トオルは涙をふきその人を見上げた。
そこにはメグミが立っていた。 T:「何で…。」 M:「だってトオルが言ったじゃん。待ってるって。ってか何泣いてるの?カッコ悪〜ぅ。」と茶化すように言いながら、トオルのよこに座る。