8月。3話

 2009-03-07投稿
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最近会えない日々が続いている。

元々、私たちはほとんど連絡を取り合わない。

彼の気持ち。

私の気持ちですら、

互いに確認したことが無い。
ただ、彼は、私の体を、大事なおもちゃが壊れないようにとゆうような、とても丁寧に、繊細に。

あの太い指、大きな手で、まさかと思うほど優しく、でも力強く、私を愛してくれる。

正確には、私の体を。

今の私には十分すぎるほどの幸福。

十分過ぎる程の。

朝六時、きっとまだ眠っているだろう。


もうあまりに会っていないせいか、特徴的にしか顔を思い出せない。

それなのに。

甘く噛まれた私の骨盤。膝。指。
私の腰を優しく包み込む掌を。

私は忘れることは出来ない。

嫌われるのがこわい。

会えなくなるのも。


それと同時に。

私生活を知るのも同じくらいこわい。


男の人は怒鳴る。
暴力を振るう。


またそんな事になったら?
もう立ち直れない。

今の私には、優しく愛してくれるこの体だけで。

満足。

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