8月。4話

 2009-03-07投稿
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春は好き。

日向も風もすべてが特別他の季節とは違う。

私は娘達と散歩にいく。

会える訳もないことは十分分かっていた。

第一、どこに住んでいるかもわからない。

会いたい。

会いたい。

だきしめてほしい。

感情はどこまでも人をダメにする。

わかっていても止められない。

きっとまた。

私はきっと。

あの人の『本当』を知ったら嫌になってしまうかもしれない。

そんな事を想いながら。

汗ばむ季節が容赦なく私を照らしつける。



次、会うときは、本当の事を伝える。

一つづつ。

時間をかけて。

嫌われるかもしれない。

もう会ってもらえないかも。

それならそれで仕方ない。

これ以上季節が流れてしまうと、離れたくなくなってしまう季節になる。

子供たちの微笑む顔に、したたるキラキラした汗を拭きながら。

私は彼への決心をする。


終。



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