いっそ、殺してくれたなら―…

翠希  2009-03-07投稿
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この世には
愛す人と 憎む人がいる
でも私は 其のどちらでもあるの 貴方を憎んでもいるし 愛してもいるの

愛しくて 憎らしいの

何故なら貴方は 私を負かした騎士(ヒト) 女騎士(ワタシ)より強いなんて 私は貴方が憎らしい

時々 私の心は 其の憎しみで溢れ返り 隣で寝ている貴方を 枕の下に忍ばせた 憎しみ(ナイフ)で 切り刻んで しまいたくなるの

でも ふと過る 貴方の私に向けられた微笑みを 思い出す 囁き合った 愛しい言葉達を 思い出す
其れ等が私の憎しみ(ナイフ)を ピタリと止める

寝ている貴方の髪を優しく撫でる そして私は囁く


何故 貴方はあの時 私を殺さなかったの?

何故 貴方は私の喉まで近付けた剣を 再び鞘におさめたの?

剣でなく 手を差し伸べてくれた貴方は 本当に馬鹿げていた 其の腕を 私が 切り落としていたかもしれないのに でも私は そうしなかった

何故 私は 貴方を“殺さなかった”のだろう?

嗚呼 違う 私は彼を“殺せなかった”んだ

貴方は 強かに強く…
私は 只 剣(ココロ)を めちゃくちゃに 振り回していただけ…

其の差で 私は 負けたのかしら

ねぇ だったら 今 貴方と戦ったら どっちが 強いかしら?

どっちが 負けるかしら?
どっちが 勝つかしら?

どっちが 生きて
















死ぬのかしら…



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