「不愉快だわ。消えてくれたら助かるんだけど」
「口の聞き方に気をつけることをお勧めしますわ。私はあの方に至宝をお届けしたいだけ。リズ、お祖母様に至宝をお渡しなさい?」優雅に手を差し出された。首から撫でるように動き、リズの顎を持ち上げる。されるがままになって、妖艶に笑う偽りの祖母を見上げた。近くでみれば彼女は祖母だとしか言えなかった。リズの家はある村にあったが、村も近くにあったというだけで、神子であるリズの家には誰も訪れなかった。祖母は年を取らず、20代くらいの風貌で天から“落とされた”リズに祖母を名乗った。