母のやつれた姿を瞼に焼き付け、今までやってしまった事を反省し、更正の道を歩みだす決意をかためたのだった。
鑑別所の生活も20日とたたずに審判のひが決まった。
〇月〇日…午前11時30分…
昼前の審判は必ず少年院に行くと言う迷信が鑑別所にはあるらしい…
実際、審判の結果は中等少年院送致だったのだが…
審判では、裁判官、書記、鑑別所の看守、将太の母親、将太の5人で始まった…
…時間通りに審判は始まった…
『あなたの名前、住所、本籍地を言いなさい…
調書を読みます…
間違いありませんか?
最後に何か言いたい事は?』
『…母に一言謝りたいです…ごめんなさい…』
何年ぶりだろう…本気で母に謝るのは…これで最後にしたい
将太は心の底からそう思った。帰れるものなら帰って親孝行でもして、一からやり直すつもりだったが世間はそんなにも甘くはなかった。
『ではあなたを中等少年院送致にします。』
泣き崩れる母…
俯いて現実を受け止めようと必死な将太…
また、母に悲しい思いをさせてしまった…
手錠をはめられ、腰に縄を付けられて、退出する息子を見て母は、何を思ったのだろう…
将太はそんな人の気持ちを少しづつ考える用になって来た。
鑑別所に戻ると移送される少年院の資料が机に置かれていた。
奈良少年院…
関西で一番厳しい少年院らしい。別名が…関西最後の砦らしい…
写真をみて将太は思った…
絶対に早く帰ってやると…
だが、奈良少年院は将太の思っていた少年院とは全く、違っていたのだった…