想空 (2)

奈緒  2009-03-08投稿
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*恋*


「友ー!」

「あ、美那おはよ!」

「おはよ!」


― 斉藤 友 ―\r

今日、この晴れた日に
高校生になりました。

「美那、髪!」

「エヘヘ〜いいでしょ?昨日、行ってきたんだぁ♪」

黒かった美那の髪は、キャラメル色になっていた。

「いいなぁ〜。あたしもやってみよ♪」

友は髪を撫でながら、溜め息を吐く。


「‥友?」

聞き覚えのある、
ハスキーボイス。

この声は、あの人しかいないんだ‥。

後ろを振り返ってみると、弘樹が手を振った。


「弘樹♪」

美那は、弘樹の元に近寄る。

美那と弘樹は、中3の時から付き合っている。

あたしはそれを、ずっとずっと応援してあげている。


本当は、応援なんてしたくない。

付き合って欲しくもなかった。

だって‥

あたしは‥

美那が弘樹を好きになるずっと前から、

弘樹を好きだから‥

「友〜!早く早く!」

美那が、手招きをしてあたしを呼ぶ。

弘樹もこっちを向いて笑ってる。

あたしは、叶うことのない恋をしてる。



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