「選手〜、大事な話って何ですかぁ〜?」
「誰か何かしでかしたんですか〜?」
雄二と雅人が声を出す。先生は
「何かしでかすのはお前等だろ。」
と、ため息混じりでそうつぶやく。
「まぁいい。大事な話とは今日このクラスに転校生がきます。入っていいぞ。」
その言葉と共に教室のドアが開く。
「えぇ〜、彼が新しくこのクラスの一員になる清水一くんだ。」
先生は隣に立つ男の子の背中を軽く叩きながら合図を出す。
「はじめまして。清水 一です。よろしく。」
彼は軽く会釈をして微笑む。
「挨拶も済んだし、席はえぇ〜っと、静波の横でいいな。真ん中の前から二番目だ。」
一は先生の言葉に軽くうなずき、私の方へ歩いてくる。
「よろしくね。」
鞄を机の上に置きながら声をかけてくる。
「よろしく。」
私は前を向いたまま答えた。
彼の出現からこの物語が急速に発展していくのを私はまだ知らなかった。