奈央と出会えたから。<332>

麻呂  2009-03-09投稿
閲覧数[506] 良い投票[0] 悪い投票[0]


『じゃあ、あたしとサトルは、こっちだから。じゃあね、奈央ちゃん♪』



ミズホさんが、にっこり微笑む。



そして、



その横に立つ、サトル君も。



『聖人。今度、氷室のLIVE一緒に行こうゼ。』



『おぅ。チケット、なかなか取れねぇケドな。』



聖人が、タバコに火を点けながら答える。



『あはっ。聖人の氷室は最高だったね♪
声質似てるし。

ねっ♪奈央ちゃん♪』



巻き髪を指先に、くるくる巻き付けながら、



ミズホさんは、ちらりとあたしの方を見た。



『はい。また、みんなでカラオケに行きましょうね!!』



あたしは、恥ずかしいから、聖人の氷室の話題は、サラッと流してしまった。



『うん、行こうねぇ♪奈央ちゃん、いつでもメールちょうだいね♪』



いつでも優しいのは、ミズホさんだと思った。



『奈央ちゃんの歌ってた、一青窈の“ハナミズキ”よかったじゃん。なァ、聖人?!』



たった今、ミズホさんが聖人の歌をほめてくれたかと思うと、



今度は、サトル君があたしの歌をほめてくれた。



ケド、聖人にふるのは、やめてよぉ‥‥サトル君!!



ドキドキドキドキ――



『あ?!あぁ。俺は、川村かおりの“ZOO”がよかったと思うケドな。』



思いもよらず、聖人は、あたしの何気なく歌った曲をほめてくれたんだ。



『ありがとう/////』



顔が熱くなるのが分かった。



『あはっ。赤くなってる。奈央ちゃん可愛いっっ♪

で、サトル。あたしの歌は何がよかった?!』



ミズホさんの質問に、サトル君は一瞬の間をおき、



『HYの曲。』



『‥‥‥‥。』



ミズホさん絶句。



どうしたのかな。





『歌ってねーよッッ!!』



ボカッッ☆☆☆



『痛ってぇぇ〜〜〜!!何すんだよ!!ミズホ!!』



『じゃ〜ね〜。サトル1人で帰りなよッ。奈央ちゃん、聖人、バイバ〜イ♪』



ミズホさんは、怒って、サトル君をおいて先に帰ってしまった。



『ま、待てよ、ミズホ!!』



ダダダダダッッ―ー‐



サトル君は、慌ててミズホさんを追いかけて行った。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 麻呂 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ