すべてが運命なら

春樹  2009-03-09投稿
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「俺だよ」

その一言で私はやっと気付いた。

その人は中学の同級生で、一安の友達だ。

私とその彼は付き合ったとまではいかないが、お互い好き合ってた事があった。

その彼も滅多に学校には来ていなかった。

「なんで番号知ってんの?」

私は彼に携帯番号を教えていない。

「わかんない」

彼の回答はいつも短い。

というより、素っ気ない。

だから、私はいつも同じ質問を繰り返さない。

「何してんの?」

そんな言葉位しか思いつかなかった様子で彼が聞いてきた。

「電話してきて何してんの?って可笑しくない?電話してんじゃん」

勿論そういう意味じゃないことは、わかってた。ただ少しだけ彼を困らせてみようとした。

そんな意味のわからない会話をして、その日は電話を終えた。

まだ春休み中だったが友達は皆、色々と忙しくなって、なかなか遊べなかった。

だから何となく彼からの電話は嬉しかった。

そして、少しだけまた電話が来る事を期待してた。

その日の夜また彼から電話がきた。

「は?なに?」

しばらくは彼から電話してこないと思っていた私は、ビックリしながら電話に出た。
「お前、今彼氏いんの?どうせいないと思うけど」

彼が質問してきた。

「なにそれ?いないに決まってんじゃん」

私も訳がわからなかった。

「決まってはないだろ」

彼が笑いながらそう言った。

「じゃぁ、俺と付き合わない?」

また速球だった。

「嫌だ」

私も速球で返した。

そんな会話でその日は終わった。

それから彼は毎日同じ時間に電話をしてきた。

私に付き合って欲しいと言い続けていた。

二週間後、私は彼と付き合う事にした。

その時は何となく諦めない彼に、一安を重ねたのかもしれない。

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