あの夜から私達は一緒に時間を過ごすことが増えた。
バイトの休憩、バイトの帰り道、休みの日に買い物に行ったり…
「それって付き合ってんじゃないの?」
「えっ?」
びっくりして飲んでたお茶をこぼしそうになる。
「やめてよ、えり」
そう言うとえりは冷ややかに笑う。
彼女は、月本えり。
私に尚ちゃんの名前を教えてくれた友達。
「西野さんわかってるよ?」
そう言うえりの表情は真剣だった。
私は思わず黙った。
「好き…なんでしょ?」
えりの言葉が胸を刺す。
「まぁね…リハビリの意味わかるけどね」
「えり…知ってるの?」
えりは口が滑ったって顔をしていた。
「やっかいな男好きになるんだから」
えりは仕方ないと話してくれた。
尚ちゃんの前の彼女が精神を病んだことを。
きっかけは仕事だったらしい。でもその内、尚ちゃんともうまくいかなくなってしまったことを聞いた。
「でも西野さんは、ほっとけなくて…別れずに面倒見てるって聞いてたの」
「だから私に彼女いるって言ったんだ?」
「そういうこと」
「…そう」
聞いたはいいけど…
3ヶ月じゃ…リハビリ必要だわ。
「私が言ったってのは…」
「わかってる」
私はえりの言葉を遮った。