始めてのデートの日私は彼の家にいく事になった。
彼の家は、私の家から自転車で15分位かかる。
私は無口な彼と何を話せばいいのか?
何して遊んだらいいのか?
直接逢うとなると電話とは違うと思い私は、とにかく緊張していた。
そんな事考えてる間も、自転車はどんどん進み気づけばもう彼の家が見え始めた。
その時彼から私の携帯に、着信がきた。
私は急いで携帯電話をポケットから取り出し、通話ボタンを押した。
「どうしたの?」
ドタキャンされる?私はそんな事を考えていた。
「今、どこ?」
質問返しだ。
「もうすぐ、着くよ」
私が答えた。
「わかった」
彼はそれだけ言って電話をきった。
彼も緊張してるのなか?
私はそう思ったら、今度はなんだかワクワクし始めた。
そして私はワクワクした気持ちのまま彼の家のインターフォンを押した。
まるで待っていたかの様に玄関のドアがすぐ開いた。
私の目に、彼の姿が映った。
そのまま彼の部屋に上がった。
何をしようかと考える間もなく、部屋のテレビが目に入り【フランダースの犬】が放送されていた。
そこから、2時間近く私はずっとテレビにくぎづけになった。
そんな私に彼も、得に何か言うわけでもなく、【フランダースの犬】は終を迎えた。
なんだか、満足した私はそのまま帰る事にした。
彼は少し残念そうな表情をしていた。
どうせまた逢えるし、私は穏やかな気持ちのまま帰った。
なんだか、不思議な一日だった。
家に着いてから、彼の家に行かなかったら【フランダースの犬】見れなかったかもと思っていた。
今さらながら、あんなデートでよかったのかな?と少し反省もしていた。