サクラ咲ク、青ノート、春の音。

速水さん  2009-03-10投稿
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?〜キミと出会えたこと〜その2

「ち…ねん‥かん。ここや!」
たくさんのサークル勧誘を振り切って、ようやく2人は文学部の建物にたどり着いた。
「華ちゃんやばい、あと1分しかないで!」
「2階2階!!」
なれないヒールで足がかくかくなりながらも、螺旋状の階段を上ると、1階よりは少し狭めの教室が並んでいる。
「201やで!」

そーっと扉を開けると、すでに教授陣の説明は始まっており、席も9割は埋まっていた。
「やばー。。。」
「番号順やって。」
華ちゃんとは少し離れた場所に自分の学生番号が書かれたシールが貼ってある机を見つけ、そっと席につく。ふぅー。。危なかった。しょっぱなから黄信号。
教授陣からは自己紹介を始め、学生証の説明、教科書の買い方、時間割りの組み方など、小一時間にわたって説明された。自分の机においてある袋に、書類等がきちんとそろっているか確認する。ふと高校の入学式を思い出した。でもあれは3年前。今はセーラー服でもブレザーでもなくスーツなんです私!ローファーじゃなくヒール高めのパンプスやし!靴下は白、とか髪は黒、とか。。。そんなんあったなぁ〜。ぷぷっっビバ大学生!!

ふと周りを見渡してみた。これから4年間、同じ学部の人達。あ、あの子キレイやなー。社会学科のマドンナ。あれはないやろー。オタッキー。。入学式にだほだぼスーツやんBボーイ。。目に入った人に勝手なあだ名をつける。高校の時にもやったなぁ。成長してないやん。ビバな大学生が!あかんあかん、と顔を前に戻そうとした時。。。

あれ。

なんやろ。

何か違和感を感じてもう一度みる。

……………

そこにいた。

そこだけ、違う空気が流れて、時間がとまったような。。。


あの時。始めて彼を見た時の事を、私は忘れない。ずっとずっと心の片隅に残る、不思議な感覚。後にも先にもきっとこんな気持ちになる事はないだろうと、無意識に確信していた。それを恋と呼ぶにはまだ私は彼の事を知らなすぎたけれど。
→3へつづく→



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