サクラ咲ク、青ノート、春の音。

速水さん  2009-03-10投稿
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?〜キミと出会えたこと〜その6

「―こうすると、必須科目がうまるから―…」

カフェにて時間割り会議。ウィズ長谷部先輩&華ちゃん。

「おーなるほどー。」

先輩のおかげで時間割りはスムーズに決まった。
「咲ちゃんさっき撮ったの、今日現像しとくから、今度渡すよ。」
さっきの出来事が蘇る。柳瀬翔平をみた時だ。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
「先輩、ちょっとカメラ貸してくれませんか?」
「いいけど、何撮るの?」
「あのサクラ、撮りたいんです。」
私は思い付いたら即先輩のカメラを借りて、サクラの木―本当は柳瀬翔平―を撮っていた。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓「結構キレイに撮れてるよ。」
「咲に意外な写真の才能があったなー。」華ちゃんが笑う。
「へへへ。」
何やろー。やばいやばい。心の中で思っていた。こんなんストーカーみたいやん。隠し撮りって。好きな人ならともかく。まだ喋ったこともない人やのに。
実際、なぜ自分がこんなにも柳瀬翔平に惹かれているのか、わからないでいた。中学の時も、高校の時も、かっこいい人ならいくらでもいた。だけどそれだけだった。私にとっては、“顔がいい”は“理科が得意”くらいの長所の一つでしかなかったし、かっこいい子を前にして、人並みに緊張することはあっても見とれるなんて事はなかった。
「写真同好会に入ります。」
気がつけば口にしていた。
「本当?ありがとう。正式入会は一か月後でいいんだ。つまりお金を払うのはね。それまでに同回生の仲間や仲の良い先輩ができたりして、もっと楽しくなるよ。あわないなと思ったら、やめればいいから。」
華ちゃんはびっくりしていたけど、「もちろんうちも入るー。」と言ってニコニコしていた。

まったりしてるうちに6時が近付き、長谷部先輩とは色々な約束をして別れた。
「陽明館ならこの坂を上った一番奥の建物だよ。楽しんで。」

入学式があった何ちゃら記念館の少し手前にある建物らしく、そろそろ落ちてきた夕日に照らされながら坂を上っていた。
「歓迎会ってどんなんかなー。」
「そんな事より咲。白状し。長谷部先輩気に入ったんやろ。」
「はぁ?!」
心底驚いた。
「だって写真、最初あんま興味なさそうやったのに。」
撮りたいと思ってしまったからやねん。柳瀬翔平を。まだ何も知らん人を。
続く→



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