それから、私は毎晩彼と電話をした。
「今日は、何してたの?」
「なんで、あゆと付き合ったの」
「今、星みてる?」
私はとにかく思い付く全ての気持ちを言葉にしてた。
彼の答えはいつも素っ気なかったが、それも私にとっては、心地良かった。
そのうち春休みも終わり、バイトと学校が始まった。
彼は高校を受験しなかった。
だから、夜は暇だった。
私は夜の9時頃まで学校だったが、学校の帰りに彼に逢いに行ったりしていた。
ある日学校の帰り道その日は逢いに行かず彼に電話をかけた。
「今帰り道だよ」
私は自転車をこぎながら、笑みを浮かべていた。
「明日遊ぼうよ」
彼が誘ってきた。
「うん、じゃぁまた後で電話するね」
私は元気よく答えた。
私は家に着き、ご飯を食べてお風呂に入り寝る準備万端で、彼に電話をした。
「なに?」
電話に出た彼のテンションも、声のトーンも何となくいつもと違うと感じた。
「あゆの事好きじゃなくなったの?」
不安になって思わず聞いてしまった。
「わかんない」
彼の答え。
「は?わかんないとか無しで、イエスかノーで答えてよあゆの事好きじゃないの?」
いつもなら、同じ質問はしない私はムキになっていた。
「うん」
彼が少し間を空けて答えた。
「は?じゃぁ今まで好きでもないのに同情で付き合ってたの?」
私は少し感情的に彼を問いただした。
「うん」
もう彼は電話越しでも伝わってくるくらい面倒臭そうだった。
「わかった、じゃぁね」
私は納得するしかなかった。