彼と別れても、すぐには忘れられなかった。
別れて一ヶ月、もう桜も散り始めていた頃彼に電話をした。
私の耳元でコールはならず、電話は切れた。
着信拒否?そう思った私の心の中で寂しさと、怒りが込み上げてきた。
そんな自分が格好悪く感じて
私ももう彼を吹っ切りたくて着信拒否をした。
それから一ヶ月、携帯に彼からの着信が入っていた。
きっと彼も着信拒否に気付いただろう。
もうかけてこないだろうと、そう思った。
でも、10分おきに彼からの着信。
戻れるかもしれない。
一瞬そんな期待がよぎった私は彼に電話した。
「今から逢おうよ」
電話に出た彼から突然言われた。
私はその言葉のまま、自分の心が向かうまま彼に逢いにいった。
彼の家に行くと、彼は私に体を求めた。
「体が目当てなの?」
やりたくない。
そんな思いから、必死にでた一言だった。
最終的に彼は私に手を出さなかった。
利用された、私の気持ちを彼は利用した。
そう思った。
それから、一ヶ月に一回だけ彼と逢っていた。
彼は私に手は出さなかった。
そんな関係のまま三ヶ月目に入った夏だった。
知らない番号から着信が入った。